奥州の尺八 其の二十二 ~装飾其の三 飾り玉其の一~

前回に引き続き装飾で、玉飾りの巻かれた竹管についてです。
手元の飾り玉が巻かれた尺八は十一管。菅尻の象嵌も扱おうと思いましたが多くなり過ぎるので次回以降にと考えています。
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・一尺六寸七分管
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一尺六寸七分管。全長50.5cm、歌口外径/内径39/20mm、管尻外径/内径49.5/18mm、手孔径9mm、二三孔間がやや狭い九半割。管内朱塗り。
「奥州の尺八 其の二十 ~装飾其の一 漆塗り其の一~」で扱った尺八の再掲載で、ゴロ節下の他に三四孔がある節間も黒漆り、玉飾りが二箇所に巻かれて濃厚な装飾が施されています。三四孔間の飾り玉の位置からして、持ち主は左下だったのでしょうか。或いは玉を手で包むことに意味があったものでしょうか。
山田悠師旧蔵管で、合併で鶴岡市になった山形と新潟の県境、温海から出たとのこと。

・一尺七寸一分管
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一尺七寸一分管。全長52cm、歌口外径/内径35/20mm、管尻外径/内径46/16.5mm、手孔径9mm、少々広い十割。管内朱塗り。
ヒビ割れで歌口が外れて入れ替えられた様で奥州竹か確証は無いのですが、飾り玉が巻かれているので掲載します。
細く肉厚な竹材で奥州竹の雰囲気。飾り玉は割れ巻きをした時に巻かれたものでしょうか。

・一尺六寸九分管
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一尺六寸九分管。全長51.3cm、歌口外径/内径36/21mm、管尻外径/内径49.5/19mm、手孔径10×9.5mm、やや広い十割。管内朱塗り。
固く肉厚な竹材で根節を富士の裾野の様に残した姿は奥州竹でしばしば見かけるタイプ。小刀仕上げで管内も荒い作りですが良く吹き込まれていて、少々息が詰まる感じもしますがよく鳴ります。燻し竹の様な色は野外での吹奏によるものかも知れません。
ゴロ節下に横向きで飾り玉が巻かれています。正面の方が人目に付くと思うのですが、なにか理由があっての事でしょうか。

・一尺八寸二分管
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一尺八寸二分管。全長55.2cm、歌口外径/内径30/17.5mm、管尻外径/内径47.5/15.5mm、手孔径10×9mm、一二孔間がやや狭い九半割。管内朱塗り。
細い竹ですがゴロ節下がアンバランスに太い変わった姿。太い根をかぶせて継目を漆塗りで隠したものでしょうか。歌口したに朱塗りの飾り玉が巻かれています。
山田悠師旧蔵管で長堀栄延氏が修理したものとのこと。

・一尺九寸二分管
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一尺九寸二分管。全長58.3cm、歌口外径/内径29/20mm、管尻外径/内径40.5/16mm、手孔径10×8.5mm、十割。管内は柿渋か何かがかけられている様だがほぼ塗無しで歌口周辺のみ漆塗り。
細く軽い節跨ぎでアチコチに枝跡がある変な竹材。一孔下にゴロ節は無く、太い根をかぶせて継ぎ目を玉飾りで隠している様です。
山田悠師旧蔵管で、これも修理は長堀氏とのこと。

・一尺九寸四分管
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一尺九寸三分七厘管。全長58.7cm、歌口外径/内径33.5/20mm、管尻外径/内径43/17mm、手孔径10×9.5mm、一孔下が一寸ほど長い十半割。管内は塗無しで歌口周辺のみ生漆がかけられている様です。
一孔下がかなり長いからか、尺九寸管の様だが乙の筒音は二尺一寸管くらいという変な作り。随分と低いゴロ節から下は艶の無い黒漆で塗られ、大きいが荒い飾り玉が巻かれています。
上管脇に國吉と持主の姓が彫られていますが、曲が吹けるかというとちょっと疑問。



長くなりましたのでこの辺りで。次回も装飾で飾り玉の予定です。

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